「人生の諸段階」解説。特集:カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ

ドイツロマン派の画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの代表作品『人生の諸段階』を関連する作品を交えながら解説。画像有り。

最終更新日:2018年3月12日

人生の諸段階

1835年ごろ カンヴァス 油彩 72.5×94cm ライプツィヒ美術館

本作『人生の諸段階』と『夕べの星』は共に夕景を表し、カスパーの子供たちが登場する。
この作品は、カスパーの遺書的意味合いを持つとされ、弟・ハインリヒの家に伝わった。

故郷の海岸で後ろ向きに杖を突く人物が、画家カスパー自身。
こちらを向いて手を挙げている紳士は、弟ハインリヒの息子ハインリヒ。カスパーの甥っ子である。
真ん中でスウェーデン旗を掲げる少年が長男グスタフ・アードルフ。隣の少女は次女アグネス。もう一人の少女が長女エマである。
この五人の人物と海に浮かぶ五隻の舟はそれぞれ対応し、海は人生を表す。中央の大きな船は、人生の航海を終え、港に戻ってくる老人を。遠くの洋上、水平線上の二隻の船は、人生の航海中の二人の若者。浅瀬に浮かんでいる二隻の舟は、まだ漕ぎ出しておらず、これから人生の航海に旅たつ、二人の子供を表している。

1835年、カスパーは脳溢血の発作で倒れ、生死の境を彷徨い、命は保ったが身体に麻痺が残った。自分の死を悟ったカスパーは、まだ幼い子供の養い親として、甥っ子のハインリヒを選び、そのしるしとしてこの絵を送ったとされる。

『夕べの星』

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