【国宝仏像】八部衆(阿修羅像・五部浄像ほか)【興福寺】の解説と写真

最終更新日:2018年3月10日

乾漆八部衆立像(内一躯下半身欠失)(かんしつはちぶしゅうりゅうぞう)

分類 国宝
※8躯で1件の国宝指定
ジャンル 美術品・彫刻
時代 奈良
734年
構造・形式等 乾漆造
国宝指定年月日 1951年06月09日
所有者 興福寺
安置場所 興福寺国宝館
所在・エリア 奈良公園エリア
ホームページ http://www.kohfukuji.com/property/cultural/015.html

仏像好きな人のことを「アシュラー」と呼ぶほどに絶大な人気を誇る「阿修羅像」を含む仏像群を八部衆という。
インドの神々を仏法の守護神として仏教に取り込んだだめ、異形の神の姿をとる。
天平に流行した乾漆造の優品で、十大弟子像とともに興福寺西金堂の釈迦如来像の周囲に安置されていた考えられている。
『法華経』に記されている八部衆のうち「天、龍、夜叉(やしゃ)、畢婆迦羅(ひばから)」の4体がないが、それぞれ「五部浄、沙羯羅、鳩槃荼、畢婆迦羅」が対応している。

阿修羅(あしゅら)

像高 153.4cm
阿修羅はインドラ(帝釈天)と戦う悪の戦闘神であった「修羅」が、改心して仏法に帰依した姿。
三面六臂(さんめんろっぴ)(顔が3つで腕が6本)で表現され、戦闘神であるはずなのに武装せず甲冑をみにつけていない。
怒りの表情がないのは改心した悔悛をあらわしているとか、さまざまに解釈されている。
他の7体はみな武装している(※五部浄像は腕を含め欠損している)。

五部浄(ごぶじょう)

像高 上半身のみで50.0cm
大部分を欠損し、胸から上しか現存しない。
頭には象の冠をかぶる。
八部衆のうち「天」に相当する。

沙羯羅(さから)

像高 154.5cm
八部衆の「龍」に相当する。 頭に蛇を巻くあどけない少年の顔をしている。

鳩槃荼(くばんだ)

像高 150.5cm
八部衆の「夜叉」に相当する。
口を開き逆立つ頭髪をもつ。

乾闥婆(けんだつば)

像高 148.0cm
獅子の冠を被り目を閉じている。

迦楼羅(かるら)

像高 149.0cm
インド神話のガルーダが仏法の守護神となった姿。
体は人間の姿をとるが、頭が鳥となっている。

緊那羅(きんなら)

像高 152.4cm
インド神のキンナラは半人半鳥や半人半馬の半神としてあらわされるが、本像は一本の角と3眼であるというほかは人間の姿をとる。

畢婆迦羅(ひばから)

像高 155.4cm
大蛇ニシキヘビが神格化されたもの。
八部衆で唯一髭を蓄えた壮年の姿をとる。

個人的には絶大な人気をほこる「阿修羅像」よりも「五部浄像」の表情に心惹かれる。
普段は国宝館に安置されており間近に見ることができる。
2017年中は国宝館の耐震工事により、「仮講堂」で特別展示されている。
仏像が本来あるべき姿であるお堂に安置されている様をみる機会は非常にまれであるので、是非拝観して欲しい。

八部衆像の写真

阿修羅像(あしゅらぞう)の写真

阿修羅像正面の写真 ※ 『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』明治期撮影(保護期間満了)阿修羅像修理される前の姿 ※ 工藤利三郎撮影(〜1929)『社寺建築写真帖1〜6』19世紀(保護期間満了)阿修羅像右の顔 ※ 『上代の彫刻 -日本美図絵3-』河出書房、1954年(保護期間満了)阿修羅像左の顔 ※ 『上代の彫刻 -日本美図絵3-』河出書房、1954年(保護期間満了)阿修羅像正面の顔 ※ 『上代の彫刻 -日本美図絵3-』河出書房、1954年(保護期間満了)阿修羅像 ※ 『上代の彫刻 -日本美図絵3-』河出書房、1954年(保護期間満了)阿修羅像 ※ 『ホームギャラリー別巻 日本の仏像』美術出版社、1960年(保護期間満了)

五部浄像(ごぶじょうぞう)の写真

※ Japanese Temples and their Treasures, Vol.2, 1910 (Shimbi Shoin)(保護期間満了
※ 『上代の彫刻 -日本美図絵3-』河出書房、1954年(保護期間満了)

沙羯羅像(さからぞう)の写真

※ 『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』明治期撮影(保護期間満了)
破損仏の詳細不明 ※ 小川一真『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』1888年(保護期間満了)

鳩槃荼像(くばんだぞう)の写真

※ 『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』明治期撮影(保護期間満了)

乾闥婆像(けんだつばぞう)の写真

※ 『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』明治期撮影(保護期間満了)
※ 『上代の彫刻 -日本美図絵3-』河出書房、1954年(保護期間満了)

迦楼羅像(かるらぞう)の写真

※ 『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』明治期撮影(保護期間満了)

緊那羅像(きんならぞう)の写真

※ 『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』明治期撮影(保護期間満了)

畢婆迦羅像(ひばからぞう)の写真

※ 『東京国立博物館 研究情報アーカイブス』明治期撮影(保護期間満了)

畢婆迦羅像と沙羯羅像の写真

※ 工藤利三郎撮影(〜1929)『社寺建築写真帖1〜6』19世紀(保護期間満了)

八部衆像安置場所の地図

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