法華堂(三月堂)東大寺 国宝建築と仏像を写真付きで解説

東大寺で最も拝観するべき小さなお堂・法華堂と国宝諸仏のご案内

最終更新日:2018年3月14日

法華堂の概要・おすすめポイント

東大寺法華堂は通称「三月堂」とも呼ばれる。
東大寺境内に所在し、建物自体も国宝、所蔵する10体の仏像もすべて国宝に指定されている。
仏像は秘仏の執金剛神像を除きすべて乾漆造であり、天平時代の貴重な遺物となっている。
秘仏である執金剛神像は、毎年12月16日の1日だけ開扉され一般にも公開される。
特に堂内の御本禅である不空羂索観音立像は、唐招提寺の千手観音像と並ぶ乾漆造の優品である。
平成25年に三月堂内の修理が完成したが、それまで数年間拝観できなかった。

狭い堂内に立体曼荼羅のように立ち並ぶ国宝仏像群は圧巻であり必見。
拝観場所には畳敷きの腰掛け台もあり、ゆっくりと気の済むまで拝観できる。
大仏殿に賑わう修学旅行生の喧噪も堂内には届かず、御仏と濃密な時間が過ごせる。

建築は奈良時代に建造された正堂部分と、鎌倉時代に建造された礼堂部分が繋がることで1つの建造物となる特異な形式を持つ。

建築好き・仏像好き共に必見。
東大寺は大仏殿よりも法華堂にこそ拝観して欲しい。

法華堂の利用案内

ジャンル 仏像、建築
拝観時間 4月〜10月:7:30〜17:30
11月〜3月:8:00〜17:00
※平成30年1月1日より前は公式ホームページ参照のこと
拝観料金 600円
※平成30年1月1日より前は500円
所在・エリア 奈良公園
住所 奈良県奈良市東大寺境内
URL 法華堂:http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance5.html
拝観のご案内:http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance1.html

法華堂の沿革・詳細

733年(天平5年):金鐘寺の伽藍として創建(『東大寺要録』による)。
740年(天平12年):我が国はじめの本格的な華厳経の講義がおこなわれる
752年(天平勝宝4年):大仏開眼
756年(天平勝宝8年):「羂索堂」と呼ばれている(正倉院『東大寺山堺四至図』による)。
1180年(治承4年):平重衡による南都焼き討ち。法華堂は災禍を免れる。
1199年(正治元年)または1264年(文永元年):法華堂に礼堂が付加され現在の形となる。
1567年(永禄10年):松永久秀と三好三人衆の兵乱による大仏殿焼失。法華堂は災禍を免れる。

法華堂の文化財

お堂内の仏像10躰の配置図(すべて国宝)

乾漆不空羂索観音立像 法華堂安置(かんしつふくうけんさくかんのんりゅうぞう)

乾漆四天王立像 法華堂安置(かんしつしてんのうりゅうぞう)

塑造執金剛神立像 法華堂安置(そぞうしゅこんごうしんりゅうぞう)

乾漆金剛力士立像 法華堂安置(かんしつこんごうりきしりゅうぞう)

2躯で1件の国宝指定。
奈良時代作。
像高は、阿形が326.4cm、吽形が306.0cm。
貴重な乾漆造の仏像。
金剛力士像は、半裸で表現される場合と、甲(よろい)をまとった姿で表現される場合がある。
本像は甲と籠手をつけて武器を持つ像容。
半裸の場合は「仁王像」と呼ばれることが多い。

乾漆 梵天・帝釈天立像 法華堂安置(かんしつぼんてんたいしゃくてんりゅうぞう)

2躯で1件の国宝指定。
奈良時代作。
像高は、梵天が402.0cm、帝釈天が403.0cm。
貴重な乾漆造の仏像。
梵天はヒンドゥー教の神ブラフマンが仏教に取り入れられ、仏法の守護神となったもの。
帝釈天は同じくインドラが仏教に取り入れられた。
日本において梵天と帝釈天はセットで扱われることが多く、着衣下に甲冑をつけているのが通例。
法華堂の梵天・帝釈天は素朴な作風。
仏像自体の高さは、本尊である不空羂索観音立像よりも大きい。

ほか重要文化財

・東大寺法華堂経庫
・東大寺法華堂手水屋
・東大寺法華堂北門
・鉄釣燈籠
・法華堂木造天蓋

法華堂の特別公開

12月16日

執金剛神立像(秘仏・国宝)

法華堂の感想・私見・レビュー

仏像を鑑賞するのは美術館よりも、本来安置されている寺院やお堂がふさわしい。
京都と奈良には、仏像空間と呼べるお堂がいくつかある。
代表的なものは、京都の三十三間堂東寺。そして奈良の法華堂

私がぶっちぎりで好きなのが、ここ東大寺法華堂。
東京に住んでいる私が、今まで10回以上は訪れている。
京都か奈良に行ったときには必ず訪れる唯一の場所。

以前は現在よりも6躰多く安置されていたので、仏像空間としての密度は高かった。
でも今は、より正しい安置ですっきりと鑑賞することができる。
2017年5月、お堂内の配置が変わってからはじめて訪れた。
魅力はまったく変わっていないし、むしろ今の方が好きかもしれない。

仏像に興味を持った人がいたら、必ず勧めるのがここ法華堂。

12月6日の秘仏開扉では、普段は入ることができないお堂の内陣に入ることができる。
執金剛神像にお会いできるだけではなく、普段見ることができない位置から不空羂索観音立像などの諸仏を拝見することができる。
年に1度しかないけど、是非行って欲しい。

法華堂写真集

※白黒写真はすべて「Japanese Temples and their Treasures, Vol.2, 1910 (Shimbi Shoin)(保護期間満了)」
※カラー写真は管理人撮影

金剛力士立像

広目天像

執金剛神像

不空羂索観音立像 (両脇の日光・月光菩薩立像は現在東大寺ミュージアムに安置)

※ 『上代の彫刻 -日本美図絵3-』河出書房、1954年(保護期間満了)

法華堂(2017年撮影)



法華堂(2004年撮影)

法華堂経庫(重要文化財)(2017年撮影)

Japanese Temples and their Treasures, Vol.1, 1910 (Shimbi Shoin)(保護期間満了)

CLOSE ×